二世帯住宅と離婚
今回は、以前に依頼を受けた離婚事件の話をしようと思います。
その方は、妻に不貞をされたということでご相談に来られました。
ご相談に来られる前に、ご自身で探偵を依頼しており、その調査報告書をご持参されました。
ホテルへの出入りを直接撮影した写真こそありませんでしたが、不貞関係にあるだろうと思われる写真は収められていました。
また、ご依頼者は不貞相手を直接問い詰めたことがあり、その際に、不貞相手が不貞関係を明確に認めており、その録音データも保有されていました。
一方で、妻は不貞関係を否定し、子を残したまま家を出て、すでに別居状態となっていました。
ただ、ご依頼者は、この時点では離婚の決断はまだできておられませんでした。
そこで、不貞慰謝料請求事件として受任し、不貞相手に対して内容証明郵便を送付しました。
しかし、不貞相手の代理人弁護士から届いた回答は、「不貞関係はない」というものでした。
不貞相手が自ら不貞関係を認めたにもかかわらず、です。
そのため、やむなく不貞相手を被告として不貞慰謝料請求訴訟を提起しました。
結局、最後まで不貞相手も妻も不貞関係を認めませんでしたが、裁判所の心証は「不貞関係があった」というものでした。
裁判所からは和解を勧められ、慰謝料額の折り合いがつきましたので、和解成立により訴訟は終了しました。
当事者が素直に認めていれば避けられたはずの訴訟であり、ご依頼者にとっては苦痛以外の何ものでもなかったと思います。
ここで話は変わりますが、ご依頼者一家は、ご依頼者が義父と共同で購入した家に、義父家族と一緒に暮らしていました。
生活空間はある程度分かれていたものの、共用部分が多く、厳密な意味での二世帯住宅ではありませんでした。
不貞発覚後、妻は家を出ていきましたので、ご依頼者は、妻のいない状況で義父家族と同居をしているということになります。
しかも、具合が悪いことに、義父家族は不貞をした妻の肩を持つという状況でした。
こうした状況の中、ご依頼者の離婚意思は次第に固まり、義父家族と同じ屋根の下で生活を続けることが大きな精神的苦痛を伴うものとなっていきました。
そのため、義父との共有名義となっている不動産をできる限り早く処分し、子とともに別の住居で新たな生活を始めたいと考えていました。
そこで、離婚と不動産の処分の問題についても、上記の不貞慰謝料請求訴訟と並行して進めていくことになりました。
しかし、この不動産は、義父との共有名義である、住宅ローンが残っている、義父家族が現に居住している、離婚の際の財産分与の対象財産である、など複雑な事情が絡み合っていましたので、非常に難しい展開が予想されました。
(この続きは次回へ)
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