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不動産の住宅ローンはまだ残っていたものの(ローン名義はご依頼者単独名義)、不動産の査定額のほうが上回っていましたので、売却すればお金になる
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不動産の住宅ローンはまだ残っていたものの(ローン名義はご依頼者単独名義)、不動産の査定額のほうが上回っていましたので、売却すればお金になる状態でした。
そこで、義父に対して、共同で不動産を売却しないかという提案を持ちかけました。義父がご依頼者の持分を買い取るのでも構わないという提案もしました。
しかし、義父はいずれも拒否しました。住み続けたいから売却はできない、資力がないから買い取りもできないということでした。
義父が拒否し続けている間、ご依頼者は必要のない家の住宅ローンを毎月支払い続けなければなりませんでした。また、一緒に暮らしたくない人と一つ屋根の下で生活を続けなければなりませんでした。
その後も義父は売却も買い取りも頑なに拒否しましたので、ご依頼者はやむなく共有物分割請求訴訟を提起しました。
訴訟提起した後も義父が売却や買い取りを拒否し続ければ、今回のケースでは最終的に裁判所が強制的に売却することになります。
つまり、競売になります。任意売却する場合よりも売却益は減ってしまいます。
義父は数回の裁判期日を経てようやく諦め、任意売却することとなりました。
なお、この訴訟については、内容的にそれほど難しいものではありませんでしたし、弁護士費用の費用対効果を踏まえた上で、ご依頼者ご本人が裁判所へ出廷して対応しました。
一方、不動産の処理と並行する形で、離婚調停を提起しました。
何度も調停期日を重ねましたが、主に財産分与について折り合いがつかず、離婚訴訟となりました。
財産分与について、不動産の売却益が対象財産になるのはもちろんですが、主な争点は、定年退職までまだ10年近くある状況で退職金が財産分与の対象になるかどうかでした。
ちなみに、ご依頼者は安定した職場に長くお勤めされていましたので、退職金の額は相応のものでした。
ご依頼者としては、当然、不貞をした妻にこれを渡したくありません。
しかし、近年の実務は、就業規則や賃金規程に退職金支給が明記されている場合には、清算的財産分与の対象とみる傾向が強く、本件の裁判所もこれに倣い、基準時(別居時)における自己都合退職金相当額が財産分与の対象となるという心証開示をしました。
こうして配偶者の不貞が原因で離婚する場合でも、原則として夫婦で築いた財産を2分の1ずつで分けるということになります。
任意の交渉で分ける場合は当事者の合意ですので、必ずしも2分の1に縛られませんが、訴訟(調停)の場合は、原則として2分の1です。
婚姻期間中に2人で築き上げた財産である以上、それについては不貞をしたとしても2分の1ずつで分けるという考え方です。
最終的に和解離婚という形ですべての決着がつきました。
なお、親権については、お子様のご意向もあり、無事にご依頼者が親権を取得されました。
そもそも妻が不貞を認めていれば不貞慰謝料訴訟は不要でした。
義父が任意売却に応じていれば共有物分割訴訟も不要でした。ご依頼者は仕事を休んで、慣れない裁判に出廷する必要もありませんでしたし、無駄な住宅ローンの支払いも不要でした。精神的苦痛を感じながら妻の親族と同居する必要もありませんでした。
何よりも、そもそも妻が不貞をしなければこうなりませんでした。
このような状況で最後によくご納得いただけたと、今でも頭が下がる思いです。